-エイジング-
ヌメ革=革を育てるということ
「かわ」という字には「皮」と「革」があります。この違いを知ると、より革製品の魅力がわかるはず。
皮にある加工を施すと、防腐性、耐熱性、伸縮性など、革としての特性が備わることになる。
この「ある加工」というのが、「鞣し(なめし)」といい、植物のタンニン(渋)を使う伝統的ななめし法をタンニンなめしという(化学薬品を一切使わないものを特にベジタブルフルタンニンと呼び、近年ではエコレザーとしても注目を浴びている)。
タンニンなめしによって出来た革は、堅牢でナチュラルな風合いであるうえ、エイジング(経年変化)で表情が著しく変化するという特徴もある。
これがいわゆる【ヌメ革】である。
革は使い込むほどに手に馴染み、深い味わいが出てくる。これは本革の特性で、特にヌメ革は、使い込むことで出てくる深い味わいやツヤ感が魅力の革で、きちんとメンテナンスをしていけば、持ち主の付けた傷であってもひとつの歴史として刻み込まれ、この世にたったひとつしかない、かけがえのないものとなることだろう。
-革の種類-
革はなめし方により、大きく2つに分けられる。(※皮から革にすることをなめすという)
ひとつは、クロム塩酸によりなめされたクロム革。薄くて軽く耐光性があり、色柄が豊富。
もうひとつが、天然のタンニン樹液でなめされたタンニン革(ヌメ革)。厚く堅牢で、使うほどに馴染み飴色に変化する。
エイジングを楽しみたい方はこちらの革質の製品を使うとその変化を育てながら楽しむことが出来る。
例えば同じ形、同じ色であったものでも持ち主の使い方によって1年後〜数年後には個々の育ち方は様々で、それこそがヌメ革の魅力である。
ヌメ革には、文字や模様を入れたり、色も入れることが出来る。
レザークラフト体験教室に参加したい方は革ノ花宗体験教室サイトでご確認の上、ご予約ください。
-手縫い仕立て-
一針一針に想いを込めて
手縫い仕立ては、糸を作ることから始まる。シニュー糸という細い繊維が束になっている糸を好みの太さに裂いて使う。
一つの商品でも箇所によって太さを微調節してシニュー糸を裂き、それを撚り直して布でしごくことにより摩擦熱でロウを糸の内部までしみ込ませる。
この作業により、糸の毛羽立ちが減り、糸の強度も増し、革を縫い合わせるのに最適となる。
次に、菱目打ちで革に穴を開け、革手縫い用針で表が手縫い特有の風合いある縫い目になるように法則に従い
一針一針 縫い上げていく。
機械ではあっという間にできる工程を、想いを込めて一品一品丁寧に仕上げることで、当店の魅力ある商品が作り上げられている。手縫いは、手作りの温か味を伝えるとともに、永く使っていただく為の大切なこだわりである。
-ミシン仕立てと手縫い仕立ての違い-
ミシン仕立ては、上糸と下糸が別々の糸の為、どちらかの糸が切れると、次第に縫った糸全体がほどけてくる。手縫い仕立ては、1本の糸を2本の針で縫う為、上糸と下糸で交互に入れ替わり、ミシン仕立てよりも強い力で引っ張りながら縫うので、糸がほどけにくく、糸自体も太く強靭な為、耐久性がある。
革の性質によってミシン仕立てが適している場合もあるので、革ノ花宗ではどちらの仕立て方も習得し、商品作りの幅を広げている。